ソフィー
「『……私、ソフィー・丸谷は自らの能力が及ばず……』」
あたり前だが、ソフィーの声に反省の意志は感じられない。ただ機械的に、読めと言われた文章を読み上げているだけだ。
唯士
(だが、まずはそれでいい……)
ソフィー
「『営業成績のため部下に、過大なストレスと……不当な、圧力を』」
休もうとするたびにスタンガンをちらつかせ、ソフィーが反省文を読み上げ始めてから、3時間が経過した。 3時間ずっと喋りっぱなしというのは、かなり苦しいものだ。水さえ飲ませていないから、読み上げが不自然に途切れる。唾液で口の中を湿らせようとしているのだ。
ソフィー
「……あの、日向野君……頼みがあるんだが」
唯士
「水なら、まだダメですよ」
根負けして水を要求してくるはず。 そう計算していたのだが、ソフィーは先に、それとは違うことを懇願してきた。
ソフィー
「いや、違うんだ。その……トイレに行きたくて……だから……」
唯士
「トイレ?」
言われてみれば、先ほどからモジモジと太腿を擦り合わせている。 ヒーターは置いてあるが、この底冷えするコンクリートの部屋にあの格好で数時間だ。飲み会の後でもあるし、尿意を催すのは当然だろう。
唯士
(面白いことになったな)
当然、それを許可することはない。 ソフィーには存分に惨めな気分になってもらう予定だからだ。
唯士
「課長、いまは大事な反省中でしょう。個人的な事情を持ち込まないでください」
ソフィー
「そんなことを言われても、生理現象じゃないか!」
唯士
「……やれやれ、大声を出すなと何回注意すれば理解するのか」
ソフィー
「あ……す、すまない、やめて……ひぐぅっ!?」
有無を言わさず電極を押し当てると、ソフィーの体は陸に打ち上げられた魚のように跳ねあがった。
唯士
「……ん?」
鼻をつく刺激臭に足下を見ると、ソフィーの股間あたりにチョロチョロと水が湧きだし、大きくなっていく。
ソフィー
「……あ……あぁ……」
どうやら電気ショックのせいで失禁してしまったようだ。下着が濡れて、股間にべったりと貼り付いている。 かすかに湯気をたてる水たまりから、ソフィーはたまらず顔をそむけた。
唯士
「やれやれ、排泄のコントロールすらできないとは。社会人としての常識にも欠けていますね。反省文に書き足さなければいけないな」
ソフィー
「……君のせいだろう……」
非難の言葉は弱々しい。醜態を見られて、さすがの彼女も弱気になってきたようだ。
唯士
(だが、まだまだ。これは一時的なものだ。完全に心を折ってしまわなければ)
それまで油断してはいけない。ふと見ると、ソフィーは腰をモジモジと揺すっていた。 てっきり小便で濡れた床が気持ち悪いのかと思ったが、妙に焦った表情をしている。
唯士
「まだなにか? そろそろ反省に戻っていただきたいんですが」
ソフィー
「その……トイレに、行かせてくれないか……」
かすれたような声は、羞恥で震えていた。
唯士
「いま出したばかりでしょう」
ソフィー
「違う、あの……大きいほう、なんだ」
よほど余裕がないのか。ソフィーは視線を逸らしながらも、躊躇うことなく排泄欲求を暴露した。 心の中でにんまりと笑う。これは、更なる屈辱を与える絶好のチャンスだ。